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→『テスカトリポカ』(佐藤究著)
本作を読み終えた後、まるで長い映画を見終わったあとのような感覚が残りました。
ジャンルで言えば、犯罪小説。
でもただのクライムノベルだと思って読むと、たぶん面食らう。
舞台はメキシコ、インドネシア、日本へと広がり、描かれるのは麻薬密売や臓器密売といった人間の闇。物語の奥には、アステカ神話を拠りどころにした歪んだ信仰の構造が流れていて、それが登場人物たちの選択や暴力を正当化していく。
スケールの大きさ、題材の重さ、神話的要素が幾層にも重なり合い、すべてが混ざり合って進んでいく。その重層性ゆえに、読み終えた後も簡単に整理がつかない。
舞台がメキシコからインドネシア、そして日本へと近づくほど暴力は派手さを失うけれど、代わりに逃げ場のなさが残る。
近いのに見えない。
静かでじっとりとした恐怖が染みてくる。目を背けたくなるような描写も少なくない。読み進めるには、ある程度の覚悟がいる。
直木賞、山本周五郎賞のダブル受賞作であるこの本。
強烈な読書体験を求めている人には、間違いなく刺さると思います。
覚悟ができた人は、こちらから。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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