2022年7月4日月曜日

ミニマリストのお金の使い方にスポットを当てた『ミニマリスト、41歳で4000万円貯める』ブックレビュー




















タイトル:『ミニマリスト、41歳で4000万円貯める そのきっかけはシンプルに暮らすことでした』
著者:森 秋子
2021年3月3日発行 
株式会社KADOKAWA
189ページ
Rating:★★★☆☆


この本の著者は、ミニマリスト部門で人気上位のブログ、タイトル:「ミニマリストになりたい秋子のブログ」を長いこと続けておられ、本も何冊か出されています。
今回のこの本は、ミニマリストの考えに基づく「お金の使い方」にスポットライトを当てた本となっています。

この本の著者は、20代後半で結婚、出産を機に仕事を退職し、子育てをしながら社会復帰のため学校に通い資格の勉強をし、仕事を再開…
そんな多忙で過酷な日々を過ごす中でミニマリストの考えに行き着いたようです。

主婦がミニマリストとして生活しながら、どのように4000万円も貯めることができたのか。
心の持ち方や、お金に対する考え方を参考にしながら確認していきましょう。


「シンプルに暮らすことは、どんな節約よりも我が家の家計に効果的でした」


「本当に「大切なもの」だけに囲まれる生活が、経済的な余裕につながり、
カオスだった日常生活の中に安心感や優しさを取り戻せたのです。」(P5.はじめに)

自分にとって大切なものとは何か、本当に必要なものとは何か。
シンプルに暮らすためには、まずはそう自分に問いかけ、自分の軸をみつけていくこと。
自分の軸を中心に、そこから余計なものをそぎ落とし、どんどんシンプルにしていく。
この順番が大事なのでしょう。

心穏やかでいることが、ムダ消費を減らすと著者は言います。
そのために、自分を大切にすること。
モヤモヤすることやイライラすることは誰にだってあります。
著者はそんなメンタルに向き合う方法を自分なりに考えて、
自分メンテナンスを行い、自分を守り、大切なお金も守ると言っています。

ここで1つ、私が面白いと思ったムダ消費を防ぐ著者の方法を紹介したいと思います。

「圧倒的にいいものに触れて「見栄消費」を回避」


「誰かが家を買った、車を買った、買い替えたなんていうときに思わず生じる「ちょっとうらやましい気持ち」。
そんな気持ちと出会ったら、思いっきりすごい城特集とか美術館特集を見てみましょう。
圧倒的なすごいものが、ちょっと見栄をはって無理しちゃうムダ遣いリスクから自分を守ってくれます。」(P44-45)

要するに、豪邸特集や城特集を見て、「ぶっ飛んだ金持ち」レベルに自分のマインドを置き換えてみる。
そうすると、いっきに視野も広がり、いつの間にか「ちょっとうらやましい」気持ちなんてぶっ飛んでしまうんでしょうね。


ある政治家が、老後は自分でなんとかしてくれよ的な発言をされていましたが、
現実、少子化で年金に頼っているだけではどうにかなる時代ではなくなっています。
相次ぐ物価上昇と、増えない給料で、自分の老後が不安という人は多いはず。

著者は、そんな不安に対して以下のように言っています。

「生活をミニマムにして、老後の不安を手放す」

(P130-133)

何十年後の計画に頭を悩ますよりも、今確実にできることに目を向けること。
「生活を小さくすることは、老後のことを考えても、ものすごくコスパがいいというのを実感し続けた10年でした。」と著者は言っています。


では、確実に今できることとして、著者は実際にどうやって4000万円も貯金することができたのでしょうか。

「私が4000万円の貯金を作った方法は、とてもシンプル。毎月の収入から貯金額を先取りするタイプです。」(P112-113)

こう言われると、そもそもの収入がどれだけあるの?とか、株や投資で儲けてるの?と思われるかもしれません。
この著者は、ブログや本の執筆による収入はあると思いますが、株や投資はしていないとのこと。
本当にコツコツと共働きによる収入とシンプルな節約を柱に4000万円も貯めたようです。
そして先取りして貯めたお金は、すべて定期預金に預け、あえてすぐに引き出せないようにしてしまうそうです。

不確実な将来に期待する株や投資には頼らず、確実に今できることを積み上げていく著者の姿勢は、潔く見えますね。


最後に、この本のRatingを★5のうち「3」にした理由は、そもそもの収入額、貯金年数もはっきりしないこと、やはりそこがこの本でひっかかるところであり、また、定期預金で41歳で4000万円を貯めるのは、「この著者だからできた」部分も大きいと感じたからです。
その点で、この本は、あくまで「ミニマリストのお金の使い方」の1つの考え方として参考にすべきであると思います。

この本には、今回ここで紹介した以外にも、暮らしの中のさまざまなストレスから解放される考え方や方法、子どもの教育とお金について著者がどう考えているかなども書かれています。
特に、そのストレス解消法については、ユニークだけど簡単だしやってみようかなと思えるものが多いので、面白いと思います。

お金の不安を抱えた状態で、多すぎるモノに囲まれて、常に片付けに追われ、なんだか疲れたと消耗する毎日から抜け出したい。
毎日清々しく暮らしたい。

そんな悩みや願いを持っている方、ミニマリストに憧れる方は、この本を参考にしてみてはいかがでしょうか。

以上、最後まで読んで頂きありがとうございました。

2020年9月24日木曜日

ブックレビュー『ハーバード x MBA x 医師 目標を次々に達成する人の最強の勉強法』


タイトル:ハーバード x MBA x 医師 目標を次々に達成する人の最強の勉強法

著者:猪俣武範

出版年月:2016年2月

ページ:271

Rating:4/5☆


この本では、著者自身がどのように勉強して、医師として勤務しながらハーバード大学に留学し、MBA取得を達成したのか、体験談をふまえ、
「仕事と勉強を両立しながら、目標を次々と達成するための考え方と、語学習得も含めた具体的な勉強法」が紹介されています。




忙しい社会人や主婦など、勉強以外の本業がある方、また勉強する時間を確保するのに苦労されている方に参考となる1冊です。

前回レビューでご紹介したホリエモン著の『英語の多動力』では、英語x多動力で、「タグ」を増やし、自身の価値を高めていこうという内容を紹介しました。

前回の記事はこちら➡『英語の多動力』

今回紹介する本の内容は、どのような目標を見据えて達成していくのかという「目標設定の技術」と、いかに時間を見つけて集中して勉強をするのか、「時間管理と集中力を高める技術」に関して具体的に書かれています。

さらには「ハーバード」「MBA」「医師」と3つの「タグ」を持った著者が、留学しMBA取得するにあたり、どのように英語を身につけたのか、英語学習術に関しても書かれています。


まず最初に、「人生で達成したい目標とはどんなものか」というところから考えていきます。

「働かなくても不自由なく暮らせる程のお金持ちになること」
もしくは、「いつまでも健康で充実した生活を送ること」でしょうか。

この本では、目標はSMARTに立てることが大事だと言われています。

SMARTとは、
S = Spaecific 具体的に
M = Measurable 数値などで評価可能 
A = Achievable 達成可能
R = Realistic 現実的に
T = Time-bound 期限が設定されている

SMARTな目標の例として挙げられているのは、
「2021年までに、TOEFLで100点をとるために英単語帳を毎日20ページすすめる」
「教養をつけるために、週に2冊本を読む」
などです。

先ほど述べたような「お金持ちになること」を目標にすることはSMARTではありません。
「2030年までに、複数の不労所得で月収20万円を確保するために、毎月収入の3割を投資に充てる」とする方が、よりSMARTな目標と言えるでしょう。

次にすることは、ゴールを下記の7つのカテゴリーに分けて、それぞれ最低ひとつ以上のSMARTなゴールを立てることです。

①仕事(キャリア) 
②家族
③経済(金銭)
④健康
⑤教育(自己啓発)
⑥趣味
⑦その他(ボランティアなど)

それぞれ1年後、5年後、10年後の自分を感覚的に思い浮かべていくといいようです。

これらの目標は、紙に書いておき、定期的に「目標を見直すこと」が大事です。

目標を見直すために著者が勧める方法は、「3か月毎に履歴書を書くこと」だと言っています。
現在の履歴書から、3か月後、半年後、1年後、どのように変化しているか。
目標に向かって進歩しているのが目に見えるからです。
履歴書に何も変更がなければ、行動を変える必要があると思えます。

そしてなにより早く、目標にむけて「実行に移すこと」が大事です。

そこで必要になるのが「時間管理」と「集中力」です。

この本で、わたしが一番なるほどと思ったのが「複利の考え方を時間管理に取り入れる」という内容です。

「複利」とは、利子が利子を呼び、次第に増えていくことです。
「複利」の概念を意識することで、今すぐにでも早く勉強を始めた人は、加速度的な成長をすることができるというのです。
勉強も早く始めれば始めるほど効果的なのです。
若いうちから勉強することで得た知識や経験は、その後も複利的に大きくなるというのです。


勉強する時間を作るために必要なことは、「ムダを省き、集中する」ことです。

そのためにまず、複数の目標に一貫性を持たせること。
目標に一貫性があれば、その目標に向けて行う努力と時間は、目標間の結びつきを強め、ムダを省くことが可能です。
一つの努力が全ての目標につながるからです。

次に、勉強を始めるときの「取引コスト」を減らすことです。
「取引コストを減らす」とは「すぐにとりかかる工夫をする」ことです。
「スキマ時間」を活用しながら、座ったら10分でも単語帳を開く、本を読むなどすぐに取り掛かれるようにすることです。
メールチェックをしてから、なにか食べてからという取り組みはダメなんですね。



英語学習術についてお話する前に、この本だけでなく英語学習に関するどの本でも、「なぜ英語を勉強するのか」という目標をもつことが大事だと言われています。

英語は目標に応じた能力に絞って勉強するのが良いそうです。

この本の著者の場合、「グロービッシュ(意思疎通のできる英語)を身につける」という目標を設定しています。

今や英語を話す人の78%は非ネイティブで、人種により様々な訛りやアクセントで話されており、もはや英語は意思伝達のツールにすぎないというのです。

グロービッシュを身につけることが目的となれば、完璧な発音や文法より、生きた英語にたくさん触れることが大事です。

例えば、TEDなどの動画をみながらリスニングを鍛え、雑誌や論文、決算書など、仕事や趣味に関連する文章を英語でたくさん読み、履歴書を英文で書き、さらに自己紹介を完璧にすることでスピーキングをも鍛えることができると言います。



ところで、スマホのスクリーンタイムに皆さんはどれだけ時間を費やしているかご存じですか?
Kindleで読書をしているという方は別として、おおよその方がスマホで何をしているかというと、ゲームや、LINE、TwitterなどのSNSに1日平均3時間以上費やしているそうです。

このような時間を意識して勉強や読書にあてることで、より充実感のある毎日をおくることができそうですね。


以上、今回は、本業が忙しい人でも、目標を次々に達成していく方法をまとめた本を紹介しました。

興味のあるかたは下記のリンクからチェックしてみてください。




ちなみに、この本にでてきた「複利」の概念を、「習慣」に当てはめた James Clear著の『Atomic Habits』(邦題『複利で伸びる一つの習慣』)は、「習慣作り」に非常に役に立つ実践的な内容が盛りだくさんで、全米ベストセラーにもなっています。
興味のある方は、ぜひ下記の本も併せてチェックしてみてください。

詳しいレビュー記事は、こちら➡『Atomic Habits』


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。






2020年9月17日木曜日

ブックレビュー『英語の多動力』

 




タイトル:英語の多動力
著者:堀江貴文
出版年:2018年
ページ数:250
Rating:4/5☆


英語を勉強している人、これから何か勉強しようかと学びに興味がある人におすすめの1冊。

この本では、
「英語」X「多動力」で、世界の人とつながり、自分の好きなことにとことんハマることで、自身の可能性を最大化する方法が書かれています。




英語と未来を考えたとき、AIの進化により、英語を学ぶ必要性が少なくなってきているように感じます。

しかし、そのことを英語を学ばなくていい理由にするな、とホリエモンは主張しています。

単なる「英語が堪能な人」は、山ほどいます。

これからの時代、それでは何もできないのと同じなのです。

つまり、
「英語」X「0」=0

大事なのは、「英語」と「何」をかけ合わせるかです。

「英語」X「?」=???


要するに、英語を使って何ができるか?

自分の価値を高める知恵を絞ることが肝心だと言うのです。


では、具体的に自分の価値を高めるには、どうすればいいのでしょうか。

大事なのは、3つの「タグ」を作ることです。

「タグ」とは付加価値のことで、自分の売りとなることです。

厚切りジェイソンさんの話が例として出されています。

彼は、「日本語が堪能」なアメリカ人で、「お笑い芸人」として活躍しながら「IT企業の役員」でもあります。

「日本語が堪能」x「お笑い芸人」x「IT企業の役員」
=1/100万のレアな人材

これを参考にして、自分だけの3つのタグを考えて作ればいいのです。

そうすることで希少性を生み出し、自分の時価総額を高めることができるのだと言われています。


では実際に何かを学ぶときに気をつけておきたいことはあるのでしょうか。

それは「お勉強」と「学び」の違いについて知っておくことです。


「お勉強」=与えられたものをこなすやり方で、受動的なもの。

「学び」=没頭するもので、「楽しい」能動的なもの。


まずは、興味のあることをとことん「学び」、「学ぶ」ことが楽しくて仕方がない状態にまで、ハマりまくるのがいいみたいです。

その1つが「英語」です。

楽しく学び、没頭し、毎日触れることが大事なのです。


けれども、どうやって没頭できる時間をつくればいいのでしょうか。

時間はつくればいくらでもある」、とホリエモンは言っています。

余った時間に勉強するのではなく、最初に英語を勉強する時間を確保しておけばいいと言うのです。

元グーグル日本法人名誉会長も、多忙であることが想像できますが、1日3時間、毎日休まず3年間英語を勉強されているのだそうです。

スケジュールに、ワクワクする学びを詰め込むことが大事なのです。


そしてなにより圧倒的に大事なのは、「実行力」です。

思いつきよりも考えたことを努力して形にした人が、評価されるのです。


「学ぶ」楽しさを発見し、自身の時価総額をあげていく努力をしていこうと、その気にさせてくれる楽しい1冊です。




ミニマリストのお金の使い方にスポットを当てた『ミニマリスト、41歳で4000万円貯める』ブックレビュー

タイトル:『ミニマリスト、41歳で4000万円貯める そのきっかけはシンプルに暮らすことでした』 著者:森 秋子 2021年3月3日発行  株式会社KADOKAWA 189ページ Rating:★★★☆☆ この本の著者は、ミニマリスト部門で人気上位のブログ、タイトル:「 ミニマリ...