2020年4月28日火曜日

洋書レビュー『Eat That Frog』


タイトル:Eat That Frog  -21 Great Ways to Stop Procrastinating and Get More Done in Less Time-
著者:Brian Tracy
出版年:2000年
ページ:129
Rate:4/5☆
英語難易度:3/5(英検2級、TOEIC 700点程度)


先延ばしにしがちな面倒なこと。
でもそれが一番重要だったりします。
先延ばしするクセを直して、誰よりも早く目標を達成するための、21個の法則が書かれた本です。


著者について


高校を中退してから皿洗いや肉体労働で苦労を経験した著者。
20代半ばに営業の仕事を始めたことがきっかけで、ビジネスの世界に興味を持ち、本を読んだり大学にも通い、成功者の話を聞いて学び、自ら起業し成功しました。
企業のコンサルタントとしても活躍しながら、自らの経験をもとに、目標を達成し成功するためのノウハウを書籍やセミナーなどを通して伝授しています。


この本に出てくるFrog(カエル)とは?


カエル(Frog)= 重要なタスク(課題、仕事)

朝起きて、まずすることは、一番大きなカエルを食べること。
「Eat That Frog」とは、すなわち「最も重要なタスクからとりかかる」ことです。


感想


比較的易しい英語で書かれており、分量も120ページと少なく、短時間でさらっと読めました。
くり返しが多いので斜め読みもしやすく、目次をみるだけで大体の内容はわかります。
さらに最後Conclusionのページでは21個の法則の要約になっていて、忙しい方ならここを読むだけでも十分だと思います。

文中、とにかくやる気を奮い立たせる言葉がけが多いです。
「ぐずぐずしていないで、まずやれ!やり続けろ!」
"Just do it!"
"Keep pushing forward!"
"Never miss a day!" etc...
読んでてビリー隊長のブートキャンプを思い出しました。
この本を読むと、なかなか動かない重い腰を、グイっと持ち上げられそうです。


この本を通して学んだことは、「やろうとしていることのすべてをやり切るのは、一生かけても不可能である」ということ。
「あれも、これも、やらなきゃ」というところから、やらなくていいことを見つけだし、本当に重要なことだけに集中することが大事だということです。


こんな人におすすめ


苦手なもの、面倒くさいことをつい後回しにしてしまう人。
やりたいこと、やることがたくさんありすぎて、日頃から時間がないと感じている人。
重い腰を持ち上げるのにモチベーションが欲しい人。

出版されてから20年経っているので、内容の目新しさに欠ける感じはします。
けれども、忙しい毎日を過ごしていく中で大事なことをつい後回しにしてしまい、変わらず時間がないと嘆いている自分をどうにかしたいと思っているのであれば、この本を参考に行動を変えれば、少しでも多く充実した時間を送ることができるかもしれません。





日本語翻訳本はこちら。
『カエルを食べてしまえ』



2020年4月22日水曜日

洋書 "If Tomorrow Comes" by Sidney Sheldon 


タイトル:If Tomorrow Comes
著者:Sidney Sheldon
出版年:1986年
ページ:408
Rate:3/5☆
英語難易度:3/5☆ (英検2級、TOEIC 700点程度)

ユダヤ系アメリカ人でベストセラー作家であるシドニーシェルダンの長編小説です。


<<あらすじ>>

主人公のTracyは、理想的な男性との結婚を間近にひかえた幸せ絶頂の若くて美しい女性。
あるマフィアがからむ事件がきっかけで、Tracyは刑務所に送られ、人生のどん底に突き落とされてしまいます。
真っ暗な独房の中、Tracyは彼女からすべてを奪った者たちへの復讐を心に誓い、強い決意で這い上がり、快進撃をくり広げていきます。


<<この本のKey Word>>

-vengeance:復讐、仕返し
-con artist:詐欺師
-Maximilian Pierpont:マキシミリアン・ピアポント(人名)

この本を理解するのに必要な単語だと思うので、日本語訳を書きました。
Maximilian Pierpontは、長くて読みにくい珍しい名前です。
出てくるたび詰まってしまうので、ここで紹介しておきます。


<<感想>>

物語の展開がとても早く、読み始めたらどんどん引き込まれていきます。
前半は主人公のTracyの悲痛な心のうちを追うように感情移入して読んでいましたが、後半は全く別物です。
別人のようになったTracyに感情移入は一切できませんでした。

韓国ドラマや復讐をテーマにした昔のドラマの雰囲気はありますが、読後感はスッキリとしていて、最後の最後まで作者の技を感じました。

400ページを超える長編ですが、ラスト50ページは、英語で書かれた洋書ということを忘れるくらいのスピードで一気に読み切ってしまいました。

長編を1冊読みきった達成感も味わえて、また次につながる自信がつきます。
シドニーシェルダン作品、いつか全制覇してみたくなりました。


<<こんな方におすすめ>>

洋書、英語多読初心者で、初めて長編に挑戦したいと思っている方。
辞書なしでストレスなくエンターテイメントとして気軽に楽しんで読みたい方。
復讐がテーマの韓国ドラマが好きな方。





日本語翻訳本もあります。
『明日があるなら』上下巻セット











2020年4月5日日曜日

ブックレビュー 『ベストセラーで読み解く現代アメリカ』


タイトル:ベストセラーで読み解く現代アメリカ
著者:渡辺由佳里
出版年:2020年3月
ページ:365p
Rate:5/5☆





「洋書クラブ」という人気ブログで、アメリカの新刊書をメインに洋書のレビューをしている著者が、現代のアメリカを理解するための重要な洋書65冊を厳選し、1冊にしたのがこの本です。


著者である渡辺由佳里さんは、幼いころから読書がすきで、「秘密の花園」を読んだのがきっかけで英語を学びたいと思うようになり、いくつもの転機を経て、現在はアメリカのボストンでエッセイを書いたり、翻訳、レビューなどをされています。

渡辺さんのレビューは、「なぜこの本が現在のアメリカでベストセラーになっているのか?」という視点から、その本の背後にある社会情勢や歴史なども含めて書かれているので、非常に読み応えがあります。

レビューされる本は、アメリカの新刊がメインでジャンルは幅広く、ビジネス、ノンフィクション、政治、歴史、SF、ロマンスなどがあります。
洋書好きの方は何冊かは読んだことがある、もしくは読みたいという本が見つかるでしょう。


私も最近ブログで本のレビューを始めましたが、本の選定、レビューの方法などとても参考になる1冊でした。
この本で紹介されているもので、すでに読んだことのある本は3冊、これから読みたいと思う本は10冊、見つかりました。

読めば読むほど読みたくなる本が増える。
本好き、洋書好きにはたまらない一冊です。







2020年4月4日土曜日

シクラメンの赤ちゃん その後①

こぼれ種から芽を出した小さい赤ちゃんシクラメンの記事を書いてから、約1年経過しました。

赤ちゃんシクラメンの前回の記事はこちら↓

『シクラメンの赤ちゃん』


昨年の猛暑を乗り切り、どれだけ生き残り、成長したか。

現在の様子はこちらです。


おおよそ半分には減りましたが、雑草に紛れて、ちゃんと生きています!

一年前のものと比較すると葉の数も増え、中の球根も少し大きくなっていました。


雑草を抜き、一回り大きい育苗鉢に植え替えていく作業をぼちぼちしていると、その1週間後、一つの苗に花が咲きました!




もう嬉しくて可愛くて何枚も同じ写真をとりました(笑)





残りの苗も順調に成長しているようだし、このままいけば来年はこんな ↓↓↓ 大人の華やかなシクラメンになっているかな?





そんな期待を持ちつつ、今年も見守り育てていきたいと思います。





2020年4月1日水曜日

ブックレビュー 『漬物を食べないと腸が病気になります 植物性乳酸菌が腸の免疫力を上げる』


タイトル:漬物を食べないと腸が病気になります 植物性乳酸菌が腸の免疫力を上げる
著者:松生恒夫
出版年:2016年
ページ:203
Rate:3/5☆

何十年と便秘症だった私がぬか漬け生活を始めてから、お腹の調子がよくなり毎日スッキリ過ごせています。
「ぬか漬けを食べるだけで、なぜこんな変化がでたの?」
「一体お腹のなかで何が起きているの?」
そんな疑問をもって本を探しているうちに、この本に出会いました。






著者である松生恒夫さんは、便秘外来を設けた松生クリニックの院長であり、大腸内視鏡検査では4万件以上の実績をお持ちです。
また、腸の健康にもダイエットにも理想的な食事として和食とオリーブオイルを組み合わせた「地中海式和食」を提唱している方です。


今回のこの「漬物を食べないと腸が病気になります」というタイトル。
ここまで断定的に言い切るということは、よほどの理由があるのでしょう。


まずは、日本人の腸の病気の実態から。

1960年ごろから現在までの50年間で、大腸がんに罹る人の数が9倍に増え、それも年々増え続けているとのこと。
このような腸の病気の背景には「食生活の変化」が深く関わっているといわれています。

『50年前の日本の食卓には、漬物や味噌、しょうゆなど植物性乳酸菌を活用した食品が数多く並んでいました。また大麦と混ぜた雑穀米を1日3回摂ることが多かったのです。
現在変わりに登場したのが、肉類や乳製品の多い欧米化した食文化です。』(p16)

食生活の歴史をみると、1000年以上も前から日本人は植物性乳酸菌を毎日摂取していたのに、ここ50年で大幅に減ったようです。


なぜ植物性乳酸菌がよいとされるのでしょうか。

乳酸菌には植物性と動物性の2種類があります。
このふたつの乳酸菌の違いはなく、生息場所の違いによって区別されているだけなのです。
植物性は植物に生息し、動物性はミルクに生息しています。
植物性は栄養分が少ない過酷な環境でも生息できることから、生きて腸まで届く力が強いとされているからです。
植物性乳酸菌を含む主な食品は、漬物、お茶、納豆、味噌、しょうゆ、酢、清酒、ワインなどがあります。


なぜ腸まで届く必要があるのか?

体の免疫細胞(リンパ球)の60%以上が腸管に存在し、「腸は人体最大の免疫器官である」といわれています。

『腸が「内なる外」とも呼ばれるように、体の中に入り込んでしまっては困るものと常に接触している。そのため腸の免疫機能が高くないと、外界から侵入する異物や病原体に立ち向かえず、いつも病気に悩ませれることになる。』(p152)

腸を健康に保つことが何より大事だとこれでよくわかります。


では腸を健康に保つには、どうすればいのでしょうか。

そのカギを握るのが「腸内フローラ」と呼ばれるものです。
「腸内フローラ」は腸内に100兆個と存在する細菌の集団のことです。
腸内フローラは、病原菌の排除や免疫増強など人体に有益な作用を起こす一方、毒性物質や発がん物質を発生したり有害な作用を及ぼすこともあります。
腸内フローラを良好にすることが、腸内環境を整え便秘を解消することになるのです。


そこで登場するのが、腸内フローラに良い食事。

腸に良いとされる乳酸菌やビフィズス菌を外部から摂取するのと同時に、腸内フローラの栄養源となる食物繊維やオリゴ糖を摂取することが重要とされています。

植物性乳酸菌と食物繊維が多く含まれた和食を中心に、良質な脂質を補い、排便力を促進するためのオリーブオイルを組み合わせた「地中海式和食」が良いといわれています。


最後に

この本を読んで、ぬか漬けの効果にまつわる疑問に対する答えが見つかり、とてもスッキリしました。

ぬか漬けは、植物性乳酸菌が多く含まれていて、それが生きて腸まで届き、腸内フローラの一員となり働いてくれたおかげで、お腹をすっきりさせてくれていたのです。
そればかりか、免疫にも作用し、風邪予防や花粉症などアレルギーにも効果が期待できるということがわかりました。

毎日の食生活を見直し、健康的な腸を手に入れる。
その必要性を感じることのできる一冊です。





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