2019年10月28日月曜日

Book Review 『西の魔女が死んだ』

もう10月も後半。
今年は秋が少しゆっくりなのでしょうか。

さて秋と言えば読書。
皆さん本は最近読まれましたか?
私はこどもと図書館によく行きます。

今週から11月9日まで読書週間ということもあり、今回は最近読んだ本のことを記事にしたいと思います。

タイトル『西の魔女が死んだ』 
作者 梨木香歩
Rate  ★★★★☆

図書館の児童書エリアにあったので子ども向けだと思われますが、タイトルに『死』という言葉があることが何だか普通でないような予感がして思わず手にとってしまいました。
今から20年以上も前に書かれて、映画にもなった有名な本です。

<あらすじ>

 主人公の中学生まいの祖母はイギリス人。
祖母は山の中で一人で暮らしていた。
物語はその祖母(西の魔女)が死んだという知らせを聞いて、まいが祖母の家へ向かうところから始まる。道中でまいは2年前の祖母と過ごした1か月のことを思い出す。
 
 それは中学に入学したばかりの5月のこと。
まいは学校になじめず、持病の喘息も季節の変わり目で発症してしまう。
「学校へは行かない」不登校を決めたまいは、しばらく山にいる祖母の家に滞在することにした。
 祖母の住む家は周りを緑に囲まれ、庭にはハーブや花が咲いている。
そこで暮らす時間は、まいにとって今までの閉じ込められたような息苦しさもない、開放的で心地よい時間だった。
まいと祖母は一日のほとんどを費やして野イチゴを摘んでジャムを作り、ハーブティーを飲みながら祖母との会話で心を癒していった。


<レビュー>

「西の魔女が死んだ」というタイトルからすでにネタバレしています。
登場人物は主人公まいとその母そして祖母がほとんどで、シンプルで非常に読みやすいです。緑に囲まれた家で過ごす様子や、温かな日が射す古い部屋の様子など、回想録として表現されたノスタルジアな雰囲気がとても感じられました。
読んでいて心が洗われていくようなとても美しい物語です。

魔女と呼ばれる理由は、超能力を持っているという理由だけではなく、たった一人毅然として山の中に住み、ハーブや自然の力を利用して自然と共に暮らしていることが、普通の人とはちょっと違って特別だからなのでしょうか。

物語の中では、まいは魔女になりたいと願っていました。
同じ様に、わたしたちも何かを達成したい、夢を叶えたいと思うとき、そこにたどり着くまでにやると決めたことを続けていく意志の力が必要です。
ではどうやって意志の力を強くできるのでしょう?

西の魔女の言葉から、なにか答えが見えてきそうです。

「少しづつ、長い時間をかけて、だんだんに(意志の力を)強くしていけばね。最初は何も変わらないように思います。そしてだんだんに疑いの心や、怠け心、あきらめ、投げやりな気持ちが出てきます。それに打ち勝って、ただ黙々と続けるのです。そうして、もう永久に何も変わらないんじゃないかと思われるころ、ようやく以前の自分とは違う自分を発見するような出来事が起こるでしょう。そしてまた、地道な努力を続ける、退屈な日々の連続で、また、ある日突然、今までの自分とは違う自分を見ることになる、その繰り返しです。」

「よく訓練された魔女には、見たいと思うものは見えるし、聞きたいと思うことが聞こえる。物事の流れに沿った正しい願いが光となって実現していく。それは素晴らしい力です。」




 

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