2020年2月6日木曜日

ブックレビュー『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』


タイトル:プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術
著者:印南敦史
出版年:2014年
ページ:191
Rate:4.5/5☆

図書館で予約していた本が、先日、一気にまとめて6冊、手元に届きました。
予約本で人気もあり、貸出延長ができず、2週間で6冊を読み切らないといけません。
どの本も200ページ前後あり、読むのが遅い私にとっては、かなり追い込まれた状況です。
そして本を読んだあとは、レビューも書きたいと思っています。
「読む+書く」でかなりの時間がかかりそうなので、プレッシャーが半端ないです。

今回届いた6冊の中に、そんな今の私の救いになるような1冊がありました。

それが今回ご紹介するこちらの本です。



この本は「書くことや読むことについて記した本」です。

では、著者の紹介から。
印南敦史さんは、プロの書評家。
ビジネスパーソン向けウェブメディア「ライフハッカー」で、ビジネス書を中心とした書籍を紹介しています。
1日1冊本を読み、毎日書評を書いて投稿されています。
その本の数は2年間で700冊を超えるとか。(2014年時点)

印南さんの書評とは、どんな内容なのか、気になりネットでも調べてみました。
そしたら今でも(2020年2月現在)毎日書評を投稿されているのです!
ほんの小さなことでも毎日続けることは難しいのに、「読む+書く」ことを8年間も続けておられるのです。

印南さんの書評は、簡潔でわかりやすい構成で、短時間でさらっと読めてしまいます。
響くものもしっかりあって、ついつい「あわせて読みたい」コーナーに引きづり込まれてしまいます。

そんな著者が教えるこの本から、どんなことが学べるでしょう。
本題に入ります。

目次

①プロ書評家が教える読書術・時間術
②読み手の視点に立つ
③大切なのは「伝える」こと
④「読ませる」文章の書き方


①プロ書評家が教える読書術・時間術

『読む「目的」によって本をどう扱うか』
ビジネス書や自己啓発書の場合、読み込むべき本と、流し読みでいい本と、本により読み方を変えることで効率的に本が読めます。
効率的な「斜め読み」の方法として、自分が必要としている情報が「向こうから飛び込んでくる」ように意識を集中させるとよいそうです。

ただし、小説は話が別。
小説は、ストーリーの流れを楽しみながら読むものなので、なかなか斜め読みをするのは難しいようです。

②読み手の視点に立つ

『読み手は何を求めているか』 
自分が書いた記事を「誰が読むのか」「誰に読んでほしいのか」を見極めることが大事です。
さらに大切なのは、読み手に「興味をもってもらう」こと。
そのためには、「刺さる」何か、「フック」つまり「つかみ」を用意することが大事です。

『読み手と時間の関係性』
今の読み手は、忙しくて「読む」時間がほとんどありません。
ほんのちょっとした隙間時間にスマホを見たり、読書をしたり…
そんな忙しい読み手が、効率的に情報収集できるように、書き方を工夫する必要があります。
記事を書くポイントは、ずばり

1)短時間で読めるもの
2)読んだ後、ちょっと得した気分になるもの

③大切なのは「伝えること」

『「表現する」のではなく、「伝える」』
書くときに、凝った表現や難しい言葉を使って、自分を格好よくみせたいという気持ちもわかります。
けれども、あくまで「伝える」ことが肝心だということを忘れてはいけません。
「本当にいい文章とは、平易なことばを使った、読みやすく理解しやすいものでなければいけない」とのことです。

④「読ませる」文章の書き方

ポイントは5つ。
1)センス
2)文法
3)リズム
4)簡潔さ
5)削ぐ力

この中でも「センス」について、この本でしか語られていないような要素があります。
「センス」を磨くためにどうすればよいか、それは、
『読む習慣を身につける』
『他人の視点に立つ』
『好きな書き手の真似をする』

最後の「好きな書き手の真似をする」は、なんとなくかっこ悪いようで普通の本ではあんまり見ない内容ですが、これこそ「伝わる文章を書く」ための一番近い道だと思います。


このほかにも、集中できる「黄金時間」をつくること、「書き始めたら勢いで全部書く」ことの重要性、「推敲は最後にじっくり」など、役に立ちそうな内容がたくさんありました。
巻末には、印南さんと、「ライフハッカー(日本版)」編集長の米田智彦さんとのスペシャル対談も載ってありました。


総じて、この本は非常に読みやすかったです。

2週間で6冊読んで書くことに追い込まれた状況で、この本を最初の1冊として選んで良かったと思います。

私のように追い込まれていなくても、「本を読むこと」や「文章を書くこと」を日常されている人には、とても参考になる本だと思います。


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